眼瞼下垂(がんけんかすい)の術式いろいろSurgical procedures
例えば、”両側部分切開法(小切開法)眼瞼挙筋腱膜前転術” とは以下の手術を意味します。
- まぶたの切開法?:”部分切開”(短い切開)
- 筋肉のコントロール方法:傷んで切れかかっている”眼瞼挙筋腱膜の固定”(瞼板に)
- 両側か、片側か?:”両方同時”に行う
大きく分けて眼瞼挙筋・腱膜・ミュラー筋の修理を行う手術 と、前頭筋へのつり上げによりまぶたをコントロールする方法の2種類があります。
※手術の名称が同じでも(例えば”全切開法””部分切開法”)、実際にはその内容が大きくに異なることがありますので注意が必要です。
眼瞼挙筋・腱膜の手術
→適応:眼瞼挙筋の筋力の低下が、50~60%程度までの症例
眼瞼挙筋と瞼板をつなぐ腱膜が切れたり弱くなっている部分を修理します。
眼瞼挙筋の筋力が低下している場合には、原則的に筋力の低下した分より大きくつり上げます。
眼瞼挙筋ではなく、ミュラー筋をターゲットとする手術を行う医師もあります。
■1)部分切開法(小切開法)
短い皮膚切開(7-15mm程度)から眼瞼挙筋腱膜の修正
■2)全切開法
眼瞼の全長または超える皮膚切開(30-50mm程度)からミュラー筋または眼瞼挙筋腱膜の修理
■3)経結膜法
結膜(まぶたの裏側)切開から眼瞼挙筋腱膜の修理
■4)埋没法
”切らない眼瞼下垂手術”
皮膚を切開しないで縫合糸による眼瞼挙筋腱膜の修理
前頭筋吊り上げ手術
→適応:眼瞼挙筋の筋力が大幅に低下している症例
前頭筋(眉毛を挙げる筋肉)でまぶたの開きをコントロールさせる方法です。
■1 縫合糸による吊り上げ
ゴアテックス糸・ナイロン編み糸・シリコンやゴアテックスのひもを用いて、前頭筋の力でまぶたの挙げ下げのコントロールをする。
■2 筋膜移植
大腿筋膜などの自己筋膜を用いて、前頭筋の力でまぶたを挙げ下げする方法
私が行う手術は、”部分切開法眼瞼挙筋腱膜前転術”です。約1.5cmの皮膚切開から、眼瞼挙筋腱膜の修理を行う方法です。